『フィラ・オムニバス』 [文献]
僕が、伊藤由巳さんの名前を知ったのは本書が最初で、刊行された時に入手しているから大学1年の時であることは間違いない。
伊藤氏は驚くほど多くの記事を執筆されていますが、その中から選ばれた41本が収録された著作集が本書です。
氏は自身でも郵趣専門誌の編集・発行をされていますが、物書きが本当にお好きだったのだと思います。エッセイ風な文章は軽妙な文体で書かれ、その反対に学術的な報告には現在でも参考となる記事が多く、特に郵便史では名を残すものが多いと思います。
収集の方では手彫切手、特に青一では伝説の人物であり、また外国切手の収集家としても著名で、全日展にも色々なテーマで出品されていました。僕の専門収集であるネパールについては、日本で初めて切手展に出品した人でもあります。
伊藤氏の著作を揃えるためには、何しろ執筆数が多いので大変です。本書は氏の著作を取りあえず読んでみたいと思われる方にはお勧めします。ただし、氏の著作の重要部分は含まれていないことに注意しなくてはいけません。
氏の著作の重要なものは、『切手趣味』『JPC-UWA フィラテリックダイジェスト』『JPC』『全日本郵趣』などに出ていますから、それらは1冊ずつあたるしかないですね。
2012-02-14 20:00
コメント(2)
沖縄ドル暫定切手の研究家でもありましたね。また、B.C.O.F切手の研究家でもありました。
B.C.O.F切手の研究は、確か『全日本郵趣』に発表されました。そして、のちにそれを一冊にまとめて刊行されました。わたしもその研究については少しお手伝いしたからでしょう、刊行後に送ってもらいました。懐かしい方です。
by tabito (2012-02-16 01:30)
『切手趣味』に書かれた沖縄ドル暫定切手の連載を読んで、ちょっと集めてはみたのですが、以前と比べると人気が出て高くなってしまったので、挫折した経緯があります。
今でも再挑戦してみたい気はあるのですが・・・。
B.C.O.F.も特に気にしていなかったのですが、あれを読んで勉強になりました。意外とおもしろいのだなぁと。
by stamp (2012-02-16 21:36)