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『ゼンフ』カタログ [文献]

僕が『ゼンフ』というカタログがあることを知ったのは、三井高陽氏の各種著作を読むようになってからのことだから、大学に入って以後のことだと思う。
氏の切手解説の著作にはよく「ゼンフカタログには云々」と書かれていた。最初はよくわからなかったのだけど、しばらくすると、それがライプチヒで戦前に出版されていたカタログであることを知った。

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画像はその『ゼンフ』カタログの1931年版で、知人が神田の古本屋で見つけたのを「こんなのがあったから」と、わざわざ譲ってくれたもの。
戦前からの人の話しを総合すると、このカタログは戦前は大変な権威のあるカタログだったらしいことがわかりました。
戦後世代だと、普通の人が使うのは『スコット』で、突っ込んで調べるには『ミッヘル』か『ギボンズ』親版カタログという知識なので、今では『ゼンフ』なんて名前を知っている方が普通じゃないでしょうね。

さて、その中身ですが手っ取り早く知るには、皆さん良くご存知の日本の部分をお見せするのがわかりやすいでしょう。

12048.jpg

上の画像は、桜洋紙カナ入りの部分で、上の方にメインナンバーのリストがあって、下の方にはカナ別の評価リストがあります。数字がズラッと並んでいるのがカナ分類で、イロハを数字で表現するこの方法は、現在出版されている世界カタログにも踏襲されていますね。

小判切手や菊切手には、目打のバラエティについて解説があったり、電信消しや不足印についても図入りの解説が入っています。また、手彫や旧小判、震災、不発行切手等に対しては詳しいノートが細かい文字でビッシリと書かれています。

こう見ると、確かに戦前の最高レベルのカタログであったことがわかります。
本文1285ページのボリュームです。
コメント(3) 

コメント 3

tabito

 『タンブルポスト』の拙文の中に、横浜局差し立てのペン消しカバーについて書いた号がありまして、その宛名が確かゼンフだったと思います。
by tabito (2012-02-13 20:39) 

stamp

tabito さま
いつもありがとうございます。
けっこう戦前の郵趣関係便って残っていますね。
小早川商会や林勇スタンプが各国の切手商に当てたカバーをけっこう見ます。
by stamp (2012-02-14 22:09) 

Mineralhunters

 私は、甲府郵趣会会員で、地元山梨の郵便や
「封鉛」などの収集する人が少ない分野を
調べています。
 現在「運賃記」と呼ばれる、明治22年~27年に内国通運会社で使われた切手風の「印紙」を調べています。
 センフのカタログに「運賃記」が記載されていると知りました。

 厚かましいお願いですが、そのページをpdfで
お送りいただきたく、よろしく、お願い致します。
by Mineralhunters (2020-01-15 09:12) 

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