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『日本普通切手専門カタログ』戦後・ステーショナリー編 [文献]

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先日、『日本普通切手専門カタログ』戦後・ステーショナリー編が配本になりました。

先ず最初に目が行ったのは、カラー図版。
昨年発売された戦前編では、とても色校をしているとは思えない醜いものでした。なにしろカラー図版よりも、切手商の広告の方が発色が良いというレベルでしたから。
で、今回はというと昨年と比べると大いに改善され、これなら巷で酷評されることはないと思います。
普及品のカタログとしては、いい感じです。

採録範囲は「新動植物国宝図案切手」までで、「平成切手」は切り捨てられています。
これは、ちょっといかがなものでしょうか?
「戦後編」と看板を掲げているのですから理屈があいません。
千歩譲って、もし「新動植物国宝切手」で区切るとするならば、副題などでそのことを明示するべき性格のものですね。

「平成切手」は、専門カタログとして書くべき内容を持たないので『ビジュアル日本切手カタログ』を参照すればよい。
という発想でしたら、それはユーザー不在の身内の論理でしかありません。
看板は「専門カタログで、かつ戦後編」なんですから。

さて内容ですが、全体的には「戦前編」よりも大きく改善されており、一冊のカタログとしてのまとまりは良くなった印象を受けます。
ただ、一部の分野では他分野とのバランスに欠くように見られるので、内容レベルの統一をどうはかるのかが今後の課題であり、また、編集者の腕の見せ所ですね。
もし次版があるとするならば、編集方針の意思統一を強化するべきでしょう。

現在、世界中で恐ろしいほどの種類のカタログが刊行されており、誰もが簡単に入手できます。
我々は、それらの中から選択して入手し、そして使っているのですが「カタログを使う」という行為(入手ではありません)の裏には、無意識のうちに「安心して使える」という作用が働いています。

来年は「郵便史・郵便印編」という、最も難しい分野が刊行されるということです。
本シリーズが、誰もが無意識のうちに「安心して使える」と思うカタログに成長することを、1ユーザーとして今後に期待しています。
コメント(2) 

コメント 2

通りすがり

初めまして
収集を止めて早40年。
父に理解が無く収集した物は"紛失"してしまった様ですが、
それでもたまに専門書が無性に読みたくなります。
もう40年以上も前ですが、郵趣に収集品を失くしてしまったので切手関連の本を収集されている方の紹介記事があったと思います。

貴方様と年齢が近い様なので懐かしくブログの記事を熟読してしまいました。

本の正式名称を失念しましたが、さくら日本切手の上級本を探してこちらに辿り着きました。
貴方様のご感想がとても参考になりました。

震災切手の記事は、私の記憶では毎日新聞であった思います。
by 通りすがり (2017-11-04 17:46) 

stamp

通りすがり さん
ご覧くださいまして、ありがとうございます。
あの記事は毎日新聞でしたか。
毎日新聞の縮刷版で確認してみます。
ありがとうございました。
by stamp (2017-11-05 21:53) 

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