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『日本印紙カタログ』第6版 [文献]

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5年振りの改訂で、編集者が変わりました。
そして、手彫印紙を中心に内容も大きく変わっています。

手彫証券印紙の第5次発行分では、印面ガッターの幅により「通常版」と「広幅版」の2分類が新しく示されており、これの説明に1ページを割いています。
この分類の導入は本書最大の読みどころで、今後のコレクション分類に大きな変更を起こすものと思われます。

巻末に26ページに渡って収録されている「手彫証券印紙の研究」は目打、紙、変種の紹介で、特にその大部分を変種の紹介にあてていますが、これは本文に統合したほうが利用者にとっては便利だと思います。
ボリューム的に見ても、わざわざ「研究」として独立させるほどのものでもないでしょう。

それと残念だった点は、手彫印紙の版別分類表が無くなってしまったこと。
もともと、この表は素人にはさほど役には立たなかったものですが、それでも多少なりとも参考にはなっていたので、削除されてしまったのは残念ですね。
次版では、ぜひ復活掲載をお願いいたします。

また、今版から現金封筒の項目が増えていますが、これは風緘紙にからんでの採録と思えます。
ステーショナリーの中でも一段低く見られているのかわかりませんが、収集家にとってあまり顧みられることがない現金封筒ですが、その全容をカラーで知ることができるのは、ありがたいものです。

本書には、各印紙についての解説が詳しく掲載されているので、印紙に興味を持っていない方でも1冊は手元に置かれていると、郵趣の一般教養として印紙を知るには有益な書であると言えます。
先に述べたように、旧版とは大幅に内容が異なっているので、特に手彫印紙について詳しく知りたい方は、新旧両版を揃えられるのが良いのではないでしょうか。
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