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『蒐集の思ひ出』 [文献]

外国人による日本切手収集のナンバーワンと言えば、いつの時代でもウッドワードであることに変わりはありません。
ウッドワードが、日本の初期切手研究に与えた影響は現在でも色濃く残っていますし、これが消えることは永遠に無いと思います。

そんなウッドワードの収集の歩みを、自ら簡単に記したのが本書で、『切手趣味叢書』第11編になります。

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文庫本サイズで51ページですが、対訳方式なので実際の分量はその半分になります。
ですから、内容的には薄いものなのですが、国内で書かれたウッドワードに関する紹介文は本書を底本としています。
そのことは、彼を紹介する著作が他に存在しないことを意味しています。

鎌倉在住で戦前の著名収集家である藤尾氏を訪ねたことや、戦前の切手商のこと、紙屑屋を漁り回って手彫切手のカバーを掘り出していた頃のことなど、今から思えばため息が出るような体験が出来た、古き良き時代の収集界の様子が記されています。

もし、本書が無かったとしたならば、ウッドワードについて我々が知ることが出来るのは、数十分の一程度しか無かったのではないでしょうか。
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