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アレン大佐 [文献]

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画像は、ウッドワードと並んで伝説的とも言える日本切手収集家であった、アレン大佐のコレクションの競売カタログです。
1958年9月24日の開催で、取り扱ったのはロブソン・ロー社。

この時の売立てはコレクションの全体ではなくて、手彫切手の一部分でした。有名だった青一の部はカナダのブラッドショにプライベートで渡っていましたし、小判の部はずっと後になっての売立てだったのは、熱心な日本切手収集家ならよく知っていると思います。

それでも、さすがに古い時代の手彫切手収集家であっただけに、よく集められていることがカタログから知ることができます。
消印偏重の今の時代から見ると少々物足りなさを感じる人が居るかも知れませんが、オーソドックスな内容にまとまっていたことがわかります。

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上の2点は、裏表紙からピックアップしたもので、和紙2銭カナ入り「イ」と、鳥15銭の「かき十」。僕はこの2点を天秤にかけると2銭の方に軍配をあげちゃいますね。何しろメインナンバーの切手でありながら輸出シートが無くて、いわゆる「真の未使用」と言われるものですから。さすがです。

このアレンのカタログは、不思議とあまり市場で見かけません。ロブソン・ロー社のものだから、少ないはずはないのですけど・・・。
1958年と言えば、外貨事情の関係で日本に入ってきているカタログの数が少ないのはわかりますが、海外の市場でも稀にしか見ることないですね。
コメント(2) 

コメント 2

わたなべ

こんばんは、いつも愉しみに読ませていただいています。

1958年のオークションは結構充実していて
ヨーロッパ切手だと、Mercury StampsやShanahan Stamps
等、かなりの勢いがありました。オーストリア切手だとOberlander、
RLだとGoss Russia、Sicilyなど今でも有名なセールが沢山あります。
イタリアのRaymondにも勢いがあり、イタリア切手は盛況でした。
西ドイツでは戦後、ケラーには勢いがなくなってきていましたが、
MohrmannやGrobeはとても充実し、戦前以上の内容になりました。
フランスやベルギー等のものにも戦後復興のような勢いが感じられます。
このようにかなりの量と質の1958年カタログが見つかりますが、
RLのBurrus前のものはまだ自分でも見つけられないものが多いです。
Harmer社の方がまだまだメジャーだったからかもしれません。

いろいろ集めていると自然に資料が充実する、
不思議な年代がたまにあります。1935年、1947年頃も
濃い内容のものが見られるのですが、
1927ー29年頃のものが質量ともに充実していて
1958年と同様、どんな背景があったのか興味深いです。
ここ数年のオークションにもこれらの時代に近い豊さがあり、
そうするとかなり恵まれている時代なのかな、とも思ったりします。
残念ながら、自分が落札できるようなものは全然ありませんが(笑)
by わたなべ (2012-02-04 23:18) 

stamp

わたなべ さま
いつも、ありがとうございます。
おっしゃるとおり、オークションって波がありますね。
僕は仕事柄、過去の美術関係の競売について調べることがあるのですが、こうした分野にも波があります。これは日本の戦前の美術品売立てにも共通しています。
美術品のばあいは、その時の社会情勢とか、物が物を呼ぶ原理に大きく左右されているようですが、切手はどうなのでしょうか。
by stamp (2012-02-05 11:11) 

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